MELニュース2026年7月 第100号

MELニュースは、協議会発足2年目の2018年4月にMEL協議会の活動を内外に発信するコミュニケーション・ツールとして創刊、Web月報のスタイルで配信を始めて今7月号で通算100号となりました(英語版は2020年4月より配信開始、通算76号)。
現在、日本語版の配信アドレス数は、会員、認証取得者、審査関係者を中心に約600、各アドレス内で転送共有をお願いしていることを勘案すると数千名の方々にお目通しいただいていると受け止めており、皆様のMELに対するお心配りに衷心より感謝申上げます。
1~100号の足跡は、「MEL協議会史」を兼ねて別冊にまとめる準備をしておりますが、今月号は特別号として企画をして見ました。様々な思いが詰まり冗長となりましたが、ご高覧賜れば誠に幸いです。

1.主な出来事を整理しました

2016年 日本の水産エコラベルを国際標準に変革する必要性が政治主導で提唱された。急遽編成された「水産エコラベル国際標準化有識者検討会」での議論を経て、(一社)MEL協議会が発足した。
2017年 水産基本計画に重要水産政策として「水産エコラベルの推進」が盛り込まれ、水産庁漁政部企画課が担当部署となった。
2018年
  • MEL漁業、養殖、CoC認証規格が発効した。
  • MELニュースを創刊した
  • GSSIにMEL認証規格の承認を申請した。
  • MELアドバイザリーボードが発足した。
2019年
  • 初めてのMEL認証が発効、第1回MEL認証証書授与式を開催した。(5社・団体、6宣言:「認証者同志が協働して日本の水産エコラベルの存在感を高める」を採択した)
  • GSSIがMEL認証規格を承認(世界で9番目、アジアで初めて)
2021年
  • MEL認証発効が累計100件に到達した。
  • MELアンバサダー制度が発足。アンバサダーはMELの様々なイベントに参加してその模様をSNSフォロアーに向けて発信することをミッションとした。(第1期11名が公募により就任)
2022年
  • 水産エコラベル認証担当部署が漁政部企画課から加工流通課に移り、「認証推進班」が設けられた。
  • アメリカRFMのスキームオーナーであるCSCとCoC認証に関し相互承認をすることに合意した。
2023年 MELが、GSSIの新基準(ベンチマーク・ツール Ver.2.0)の審査に於いて世界で2番目に承認された。
2024年 MEL認証水産物の生産量(2023年度)が45万トン(漁業33万t、養殖12万t)となり、日本の総生産の12%に達した。
2026年
  • MEL通常総会において、MEL配合飼料認証規格および魚粉・魚油認証規格が承認され、実装に向けて動き出した。MELは世界で初めての漁業、養殖、CoC、配合飼料の4分野に対応するスキームとなった。
  • 海の日記念行事2026の第19回海洋立国推進功労者表彰式において、MEL協議会は水産物の持続可能な利用推進への貢献を評価され内閣総理大臣の表彰を受けた。
  • MELニュース第100号 特別号を配信した。

2.関係者からいただいたメッセージを披露します

MELの黎明期から今日まで、様々な場面でご支援を賜った皆様からメッセージをいただきました。原稿を頂戴した順に写真とともに掲載しました。

「学びあいの場としてのMEL」

松田 裕之
アースウォッチ・ジャパン理事長
(元日本生態学会会長)
横浜国立大学 名誉教授

MELニュースが創刊された2018年に、私がMELのアドバイザリーボード座長を拝命した。知床や屋久島の世界遺産やユネスコMAB(人間と生物圏)計画の委員を務めてきた私にとって、環境に配慮した国際認証という共通点がある。ユネスコエコパークやジオパークを登録する地域にも、登録のメリットの説明、費用負担など、MEL認証と共通の課題がある。

MAB計画やジオパークでは、登録地同士の学びあいの場を重視している。MELでも、2019年に「水産物の持続的利用への3月6日宣言(3.6宣言)」が採択され、認証者同士のつながりも価値の一つと位置付けられた。これは、ほかの水産エコラベルにはない取り組みである。MELニュースには、MEL協議会からの情報発信だけでなく、認証団体が書いた記事も載せられている点も類似広報にはない特徴である。SDGsの第17目標であるパートナーシップに即した取り組みであり、この特徴を今後も生かしていただきたいと思う。
 

「MELニュース第100号の発行に寄せて― MELへの期待」

水産庁長官 藤田 仁司

MELニュース第100号の発刊、誠におめでとうございます。

2007年の制度創設以来、MELは日本発の水産エコラベル認証として着実に発展し、本年はMEL協議会設立10周年という節目も迎えられました。当初、MELは今の加工流通課でなく、企画課で担当しており、自分が企画課長時代、垣添会長と一緒にGSSI承認に向けて取り組んだことが懐かしく思い出されます。

近年は、FAOのセミナーにおいて、小規模漁業にも配慮した認証制度の好事例として紹介されるなど、国際的な評価も高まっています。また、米国の流通加工認証との相互承認や、持続可能な養殖業の振興に貢献する配合飼料及び魚粉・魚油認証規格の取組が進むなど、さらなる発展が期待されています。

100号という大きな節目を機に、MELが持続可能な水産業と我が国水産物の輸出拡大を支える認証制度として、国内外での活用が一層広がることを期待しております。水産庁としましても、認証制度の普及と認証取得支援を通じて、MELの発展を後押ししてまいります。
 

「認証機関としてMELとともに日本の水産業を輝かせたい」

髙橋正征
公益社団法人日本水産資源保護協会会長

MELニュース創刊100号、おめでとうございます。当協会はMEL発足当初から審査を担当しています。MELは、多種多様な魚介類を漁獲する日本の漁業や、それらを扱う流通加工業を意識して工夫された認証です。

また、スキーム内に養殖業も対象として設計されました。当初から、東京2020オリンピックなど時流に乗るべく進められました。ここにきてSDGsなどのグローバルな運動が広がりつつあり、MELに対する人々の関心が高まってきたように思われます。垣添会長はじめ内外からMELを支える皆さんのご尽力の賜物と思います。欧米で、認証のない魚介類をレストランで注文しない人が増えているのと比べると、日本の状況はまだまだという感じです。一方、水産物を海外に輸出する際に認証取得が重要になり、輸出促進という国策とも相まって、関係者のMELへの認識が高まってきたことは喜ばしいことです。MELと共に日本の水産業を輝かせ社会のお役に立てるよう、認証機関として力を尽くしてまいります。
 
「MEL協議会設立10周年によせて」

藤井 喜継
日本生活協同組合連合会 代表理事専務

一般社団法人MEL協議会設立10周年を心よりお祝い申し上げます。
日本生協連では2012年度からMEL認証を採用し、MELロゴマークを付した「藁焼きかつおのたたき」の供給を開始しました。その後、2022年には「ふっくらしらす干し」や「境港サーモン」など組合員に支持される商品へ展開を広げ、2025年には「沖縄・伊平屋島産もずく」も加わりました。現在、MELロゴマーク付きCO・OP商品は39品となり、2025年度の組合員供給額は33.2億円に達するなど、日本生協連における責任ある調達を支える重要な商品群へと成長しております。

MEL協議会が設立された2016年当時、日本生協連ではエシカル消費や責任ある調達のあり方について議論を重ねておりました。そのような中、日本の多様な漁業・養殖業の実態に寄り添うMELには、持続可能な取り組みを消費者に伝える仕組みとして、国際的な評価と信頼の確立に大きな期待を寄せておりました。

その後、MEL認証は2019年12月にGSSIの承認を取得し、日本発の水産エコラベルとして国際的な信頼性を備えるに至りました。今後も日本の豊かな海の恵みと魚食文化を未来へつなぐ架け橋として、さらなる発展を遂げられることを期待するとともに、日本生協連もその歩みを共にしてまいります。

「水産エコラベルが歩いた道」

八木 信行
東京大学特命教授
産学協創部兼プラネタリーヘルス研究機構

現在、MELは国際的に最も成功している水産物エコラベル認証制度の一つとなったが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。

まず、2005年にFAOで水産物エコラベルのガイドラインが議論されたが、ここでは採択を進めたい先進国と、ブロックしたい途上国が鋭く対立した。私は日本政府代表団の一員としてローマの現場におり、法的拘束力がないボランタリーな性格のものであるとして途上国を説得したことを今でも覚えている。そしてギリギリの攻防でガイドラインは採択された。その後2007年にMELが日本で設立され、2016年に垣添会長となり運営を刷新した。この運営がFAOガイドラインに則したものであるとGSSIからお墨付きをもらったのが2019年である。そして2023年にはこれが更新、現在に至っている。次々と待ち受ける関門を突破して発展してきたMELに敬意を表したい。そしてこれからは、FAOの議論の原点に戻り、途上国も含めた仲間作りをどう進めるかであろう。MELの更なる発展を期待している。
 
「MELの生みの親としての期待」

白須 敏朗
大日本水産会 相談役

  1.  私が大水会長時代、MELの最大の課題は、スキームオーナーの独立した組織化と国際標準化を担保するための国際的認証機関(GSSI)からの承認を得ることでした。
  2.  そこで2016年、日本水産の社長を長くお勤めになり、日本の水産業界を熟知し、国際的にも知名度の高い垣添さんに、大水から独立したエコラベルの制度主体としてのMEL協議会の会長になって頂き、これが現在のMELのスタートとなりました。
  3.  爾来10年、MEL協議会は、漁業、養殖、加工流通、更には飼料等とその裾野を広げる一方、GSSIの承認についても、段階的に着実に進展させるなど、垣添会長のリーダーシップに心から敬意を表する次第です。
  4.  今後、資源の持続的な利用SDGSという世界的な流れの中で、MELは単なる認証制度ではなく、水産物の社会的価値を向上させることで我が国の水産業の発展に貢献していくことが求められていると考えます。

 
皆様からのメッセージに深謝申し上げます。様々な角度からの指摘が胸に響きました。改めて道半ばであることを認識し、ご期待に少しでも近づける様頑張ります。政治、行政はじめ会員、認証取得者、審査関係の皆様、消費者の皆様どうか今後ともMELをよろしくお願い申し上げます。

3.認証取得者からのご報告

日本の水産エコラベルへの取り組みの嚆矢として、秋サケ定置網漁業の認証取得に尽力された北海道漁連様にご苦労を振り返っていただきました。何事も初めての取り組みの難しさが伝わります。MELとの関わりは、北海道漁連様がエコラベル認証取得への取り組みを始められてから10年後のことでした。正に、MELにとっては大先輩として様々ご教示いただきながら今日につながっています。

「北海道と水産エコラベル」

北海道漁業協同組合連合会
参事 販売2部 部長 倉地 宏樹

今年5月、気象庁が「防災気象情報」を大きく改定しました。警戒レベルの表現を分かりやすくするためですが、国が基準を見直すほど異常気象や災害が身近になっている証拠です。北海道も例外ではなく、冬の大雪や夏の高温に加え、沿岸水温については温暖化というレベルを超えて、「海洋沸騰」と表現する学者がいるほど上昇しています。そのような中、昨年、8年の長期にわたり続いた「黒潮大蛇行の終了」が発表されました。北海道にも相当な影響がありましたので、今年以降の状況回復に期待しているところです。

<北海道と水産エコラベル>

我々が水産エコラベルに取組み始めたのは2007年の春のことで、かれこれ約20年が経とうとしています。当時はエコラベルという言葉が聞かれるようになりたてであり、エコラベルの理念と認証規格を勉強しながらの手探りの状況でありました。特に「神からの賜物を適切に管理する」というスチュワードシップに根差す海外認証と、四方を豊かな漁場に囲まれ、かつ長い歴史をもつ日本の漁業における資源管理の考え方には大きな隔たりがありました。その溝を埋めるために多大な労力を費やしたものの、ただ時間が経過して行くばかりでした。

転機は2016年にマリン・エコラベル・ジャパン協議会(以下、MEL協議会)が設立され、「日本発の水産エコラベル」が本格的に始動したことでした。前述の隔たりの多くの解消は、MEL協議会様が日本を含めた東アジアの漁業を踏まえ、国際機関と国際標準規格に則り、根気強く交渉して頂いた結果であり、大変感謝しております。その結果、申請開始から2年後の2019年に北海道の秋鮭定置網漁業がMELの漁業認証を取得することとなりました。

また、2020年の東京オリンピックの食材調達基準に水産エコラベルが取り上げられたこともあり、社会的な認知が大きく進みました。これに後押しされるように、北海道では2021年には苫小牧漁協のホッキ、2022年は石狩湾漁協のニシン、利尻島・礼文島のホッケが漁業認証を取得し、現在4漁業で認証を取得しています。そのような流れのなか、末端消費者のなかでもエコラベルの認知度が少しずつ上がってきており、生協や量販店など販売先でも積極的にエコラベル製品を取扱いする企業が増えてきたと感じています。

<これからの北海道とエコラベル>

北海道の秋鮭は近年4~5万トンで推移していましたが、昨年は大減産となり1.4万トンで終漁しました。一方で、秋刀魚は7年振りに3万トンを超え、イカは3年振りに資源が上向くなど、皆様の食卓に上がる機会が増えた魚種がいるのは嬉しい限りです。ただ、最近の資源管理については、年々変化する海洋環境や、近隣諸国による漁獲圧の上昇など、海面の多くが国境に面している北海道では、以前にくらべて管理が難しくなっていると感じています。

一方、イラン情勢を発端とする燃油リスクや、長引く円安による輸入原料の高騰などの影響から、北海道をはじめとする国産の良質な水産物が見直され始めています。この様な環境の下、我々北海道漁連としましては、浜と協力しながら今まで以上に海洋環境の保全に努めていくとともに、MEL認証魚種はもちろんのこと、北海道の水産資源を大切に守りながら、持続的な漁業活動を支援して行きたいと考えています。加えて、我々のお取引先様のお力も借りながら、水産エコラベル製品の普及拡大を行うとともに、全国で実施している食育活動の中でもエコラベルの認知向上に努めてまいります。これからも北海道の漁業が末永く持続されるように、出来ることから一つずつ取組んで行きたいと考えております。

倉地様有難うございました。MEL発足の翌年漁連様に加え、北海道の行政、研究機関の皆様と東京大学の会議室で重ねた取り組み会議を思い出しております。秋サケ漁は当時と様変りとなっており、また暖水系の魚の北上で漁獲や認証対象の変化にどう対応するか、ご一緒に考え切磋琢磨させていただくことを願っています。

4.関係者のコラム

ASMIはアラスカの水産物の販促機関で、活動は日本に広く、深く浸透しておられますが、かつてはアラスカRFMのスキームオーナーでもありました。昨年MELの海外会員を募集した際、いの一番に申し込みをいただいた、認証と販促において日本と強い関係を持っておられる団体です。
今回は、ASMIのエグゼクティブ・ディレクターのジェレミー ウッドロー氏とASMIの認証水産物委員会委員長(CSI理事)のマーク フィナ氏のお二人に寄稿いただきました。

「持続可能な漁業に対する私たちの共通のコミットメントの証」

ASMI エグゼクティブ・ディレクター
ジェレミー ウッドロー

アラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)を代表いたしまして、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)のニュースレターが記念すべき第100号を刊行されましたことに、心よりお祝いを申し上げます。MELの海外会員第一号として、世界の責任ある漁業の持続可能な未来に向けた歩みを共にしてきたパートナーとして、この大きな節目を皆様とともにお祝いできることを光栄に思います。

ASMIは、アラスカ州とアラスカの水産業界による官民パートナーシップであり、あらゆるアラスカ産の水産物に対する、アラスカ州のオフィシャルマーケティング機関として活動しています。

私たちは、包括的なマーケティング活動、消費者への啓蒙活動、そして水産業界へのサポートを通じ、「天然で持続可能」というアラスカシーフード・ブランドを推進し、アラスカの水産資源の経済的価値を高めることに尽力しています。

ASMIのインターナショナル・プログラムは10のリージョナル(地域)プログラムを運営しており、現在、世界55カ国でダイナミックなマーケティング活動を展開しています。これら世界の地域の中でも、日本はASMIが最も早くから活動を継続してきた、歴史的に最も重要な市場の一つです。

アラスカと日本の水産業界の間にある関係は、歴史的であると同時に基礎となるものです。長年にわたり、アラスカは科学的根拠に基づく責任ある漁業管理のもとで漁獲された、高品質で栄養価の高い天然の水産物を、誇りをもって日本の市場へ供給してきました。この永続的なパートナーシップの根底には深い連携があります。特に、スケソウダラの冷凍すり身製造の誕生や、いまや世界中で食卓を彩る各種魚卵製品の高度に洗練された製造の歴史の始まりには、日本の水産企業とアラスカの生産者との間の先駆的な協力関係がありました。近年、為替の変動や経済の変化、そして世界的な水産物需要の高まりを受けて、世界の水産物市場のダイナミクスは多角化していますが、日本が依然としてアラスカにとって最も不可欠で、かつ大切にしている市場の一つであることに変わりはありません。私たちのつながりは単なる貿易を超え、海の恵みへの敬意と、それを尊ぶ食文化に基づいた絆で結ばれています。

この共通の敬意は、アラスカのアイデンティティの根幹とも一致するものです。1959年に制定されたアラスカ州憲法において、先人たちは、水産資源や野生生物を含む天然資源の活用と開発は「持続可能な生産の原則(sustained yield principle)」に基づいて行われなければならないと定めました。この憲法の礎石が、現在のアラスカの水産業界を特徴づける科学的根拠に基づいた徹底的な責任ある漁業管理の土台となり、次世代へ健康で豊かな海を引き継ぐ原動力となっています。

この精神に基づき、ASMIは2011年に「責任ある漁業管理(RFM)」認証プログラムの運営を開始し、私たちの持続可能な取り組みに対する信頼性の高い第三者証明を提供してきました。長年にわたり、この類まれなるプログラムはアラスカの枠を超えて成長・拡大してきました。現在ではこのプログラムは、Certified Seafood International(CSI)が運営する国際スキームへと発展を遂げています。この素晴らしいプログラムがさらに発展し、認証された持続可能な水産物が世界中でより広く普及することを切に願っています。

そのために、MELとCSIの連携は極めて重要です。私たちが共に手を携えることで、MEL、CSI、ASMI、そして日本とアラスカの海域で責任を持って水揚げされた水産物との間に結ばれた不朽の絆が、世界の水産業界にインスピレーションを与え、ポジティブな影響を与え続けることを期待しております。

改めまして、ニュースレター100号の節目を迎えられたMELに心より祝意を表します。マリン・エコラベル・ジャパンのスタッフ一同、会員の皆様、そしてステークホルダーの皆様のますますのご発展とご健勝、そしてご多幸をお祈り申し上げます。

「未来をともに創る:持続可能な漁業に向けた共通のビジョン」

ASMI認証水産物委員会 委員長
マーク フィナ

マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)のニュースレターが第100号という素晴らしい節目を迎えられたことに、心よりお祝い申し上げます。
これまでの歩みを振り返ると同時に、私たちはもう一つの重要な節目である、来るべきMELの創立10周年をも心待ちにしています。MELというプログラムを発展させながら、一貫して認証プログラムとしての優れたクオリティを維持してこられたことは、MELチームの皆様、そして会員の方々の献身の賜物にほかなりません。

アラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)認証水産物委員会を代表して、またCertified Seafood International(CSI)の理事として、単なるグローバルパートナーとしてだけでなく、海の恵みの未来に対するビジョンを共有する親しい友人として皆様の傍らに立てることを、心から光栄に感じています。

MELと私たちの連携を初めてお知りになる読者の皆様に向けて、私たちASMIの認証水産物委員会が誇りを持って推進しているCSI認証プログラムの使命とその特徴をご説明しておきます。アラスカの「責任ある漁業管理(RFM)認証」というレガシーに根ざしたCSI認証プログラムは、「信頼性が高く、科学的根拠に基づき、手頃な費用で実践的な、責任ある漁業の証明を提供する」というシンプルかつ強力な前提のもとに構築された、独立した国際スキームです。健全な漁業と海洋生態系が維持されるよう、厳格な国際基準に照らして漁業とサプライチェーンを評価し、水産物が責任を持って漁獲されていることを証明するのがその役割です。当会の基準とプログラムは、GSSI(Global Sustainable Seafood Initiative)のベンチマークプログラムを通じFAOの「責任ある漁業のための行動規範」に準拠していることが認定されています。

ジェレミーさん、マークさんお忙しい中の寄稿誠に有難うございました。MEL協議会にとって、特に親交あるお二人と大切な節目をMELニュース誌上でともに出来たことはこの上ない光栄であり幸せであります。
先人の努力の上に築かれたアラスカと日本の信頼関係を礎に、ご一緒に世界の持続可能な水産業をリードして行けることを願っています。

5.MEL審査員研修会(CPD)を開催しました

本年度の前半のCPD研修は、7月6-7日にテクノファ川崎研修センターをキースタジオにオンライン方式で実施しました。16名の参加があり、第1部で新しいメニューとして「審査の質の向上」について、青木 恒享講師の下4グループに分かれグループ討議(オンライン)をしていただき、発言の内容を含め一段と進化を感じました。
社会が水産エコラベルに求める内容は年々拡がっていますので、スキームオーナーとしてのMEL協議会はもちろん、審査員の皆様もその動きを超える自己研鑽が必須です。研修の定番とも言える漁業、養殖、CoCとも認証規格がバージョンアップしたタイミングであり、参加された皆様の真摯な姿勢とともに中身の濃い研修となりMELの審査能力の向上に繋がっています。
後半のCPD研修は2月に開催の予定です。

6.MEL協議会が海洋立国推進功労者として表彰されました

7月20日、海の日記念行事が東京国際クルーズターミナルで開催され、第一部の開会式に於いて高市早苗内閣総理大臣のビデオメッセージに続き、金子恭之国土交通大臣、あかま二郎内閣府特命担当大臣(防災、海洋政策)、日本財団尾形武寿会長による海に対する思いのこもった式辞が述べされました。
第二部の第19回海洋立国推進功労者表彰式では、個人4名、高等学校2校およびMEL協議会が選ばれ、内閣総理大臣の表彰状をあかま大臣から記念のメダルと共に授与されました。これも一重に関係各位のご支援の賜物であり、深謝申し上げ皆様の期待に添えるよう努力を続けます。

なお、水産庁からも当日の模様をSNSで発信いただきました。また、MEL協議会は同時開催された体験イベントにも出展しており、スタッフ一同東京がこの夏初めての猛暑日となる中、来場いただいた家族連れの特に子どもさんをターゲットに交流を深めました。

MEL協議会は、今年2026年12月に発足から満10周年の節目を迎えます。この間皆様のご支援をいただき、発足時にMELに与えられた使命である国際標準化実現は一定のレベルに到達できました。また、活動の旗印として掲げた「日本発の世界が認める水産エコラベル」も、世界的魚食の拡がりと日本水産物輸出の伸びとともに存在感を発揮しつつあります。発足にあたり目指した漁業、養殖、CoCの3認証規格を備えたスキームに、新たに養魚用配合飼料および魚粉・魚油認証規格を加えることが出来ました。まだ、思うとおり進んでいないのが消費者の皆様への浸透です。MELロゴ付き商品との接触体験、様々なイベントでのスタッフとの交流、出前授業等お子様のサステナブル教育との連動、MELアンバサダーの皆様のSNSを通したフォロワー作り等々活動を拡げます。

特別号である第100号は、MEL認証の嚆矢の役を担っていただいた北海道漁連様に「認証取得者からのご報告」を担当いただき、「関係者のコラム」は海外からの会員の第1号を快く引き受けていただいたASMI(Alaska Seafood Marketing Institute)様にお願いし、節目を共有することが出来ました。ご多用な中、特別号に花を添えていただき衷心よりお礼申し上げます。

また、来年2027年1月にMEL協議会発足10周年の記念ワークショップを開催し、MELの取り組みと日本のサステナブルな水産業の現状を世界に発信したいと考えております。どうか今後ともよろしくお願いします。

以上