MELニュース2020年 3月 第24号

新型コロナウィルスの猛威に世界がひれ伏した感がある年度末になってしまいました。日本の企業、団体にとって決算月への対応が、Web会議や書面会議となると言う経験のない事態を引き起しています。
多くの会議やイベントが中止されたり先送りとなったり、ただでさえオリパラのしわ寄せがあった中、季節感を命とする水産業界への影響は甚大です。
外の消費は落ち込んでも、内の需要は活発との報告もありますが、全体としてマイナスとなることは間違いありません。当然輸出に関してもネガティブな影響が出ています。妙案があるわけではありませんが、コロナショックを奇貨として落ち込みを続ける日本の水産物の家庭内消費のリバウンドのキッカケにすることが出来ないかご一緒に考え、行動したいと思います。

1.GSSI関連

GSSI理事会から要求されている消費者の混同防止のための措置である旧MEL、新MELのロゴにそれぞれV-1、V-2を表示する件について、打ち合せが始まりました。認証取得者の皆様の包材の手持ちをどう扱うかが最大の課題になりそうです。既に、新MEL認証取得事業者でV-2を表示していただいている方がおりますので、GSSIには皆様の対応を積極的に伝えています。平行して、MEL協議会でV-1、V-2のシールをつくり、事業者に貼付けのテストをお願いしております。
<自社のシールで対応>             <MEL協議会テストシールで対応>
ヨンキュウ様  ブリフィーレ 他         みえぎょれん販売様  塩蔵わかめ

    

<MEL協議会テスト用シール>

このシールのついては最小ロットを発註し、使い勝手を見ていただいております。使用を希望される方がありましたらMEL事務局にご連絡ください。
( 1シート378枚(14×27) シールサイズ H9mm×W12mm )

もう一つのGSSI理事会の要求である承認継続審査(MOCA)への打ち合せが開始されました。3月11日にWeb会議でGSSI事務局からMOCAのガイダンスを受けました。A(ガバナンス)、B(運営管理)、C(養殖認証)、D(漁業認証)全てにわたり、キチンと執行されているかについて詳細なエビデンス(証拠)を求められ、MELがそれに答える形で進むことになります。
MEL協議会の内部体制と認証・認定機関および認証取得事業者の全てが関わる大仕掛な審査になりそうです。12月からの書類審査の開始ですが、GSSIの審査員はMELの審査を行った3名が引き続き担当する様ですので、準備は前倒しに進めて参ります。お手数をおかけしますが、皆様の正しい行動が「世界の信任を得る」ため避けて通れないプロセスなのでどうかご協力をお願い申し上げます。

2.理事会開催について

3月19日にMEL協議会理事会を開催いたしました。新型コロナ感染症が蔓延の中ではありましたが、重要な理事会と位置づけておりましたので対応を準備した上通常の開催をさせていただきました。ご出席いただきました皆様には深謝申し上げます。
3月の理事会ですので、本年度の事業および財務状況について報告するとともに、新年度の事業計画、予算につき審議いただきました。
本年度はGSSIの承認取得を柱に据えた活動でしたが、承認が予期したより遅れたもののほぼ計画した事業は完遂できました。ただ、年明け2月以降の新型コロナ感染症の関係で国際会議やイベントの中止が相次ぎ、後段の事業に未達が発生しました。決算は若干の黒字で着地する見込みで、立ち上げ時に発生した借入金の返済に充当します。
新年度はGSSI承認後の初年度になりますので、全般的に活動の質を高めることに重点をおくとともに、12月から始まるGSSIの認証継続審査(MOCA)への充分な対応を織り込みました。
事業においては、認証取得者の持続可能性を後押しするための様々な仕掛けを通し、消費者のMELに対する興味を喚起することを重点的に実施します。
また、国内外への発信として、「グランドミーティング」と銘打ち、大日本水産会のインターナショナル・シーフードショーとタイアップしてワークショップに大型商談会をドッキングさせる催しを企画しています。改めてご案内いたしますが、認証取得者の皆様の参加を期待しております。
会員の募集についても引き続き力を入れ、活動の裾野を拡げて参ります。
次の議案として、諸規定の変更を審議いただきました。内容はスキームオーナー、審査機関として初めて小売業の審査を実施した結果、既存のMELから認証機関への要求事項の一部が実態に合わないとのご指摘をいただき、合同規格委員会、アドバイザリーボードからのご意見を伺うとともに有識者による検討会を経て本理事会に諮りました。
今回は試行的な運用とし、審査実績を重ねながら、より完成度の高いスキーム文書とすることで承認をいただきました。
もう1件の審査員研修手順書の改訂については、合否の判定において従来新規の審査員にのみ課していた終了時の筆記試験を、既存の審査員も含めた受講者全員を対象にすることを承認いただきました。

ご出席の皆様から新型コロナ感染症の影響についてご意見を伺いました。
皆様からのご指摘は
① 全般的な経済活動の収縮
イベントの中止やインバウンド需要の消滅の影響により、収支はもとより資金繰りが極めて厳しい事業者が出ている
② 海外工場の稼働停止、物流の停滞による商品の不足
海外工場での加工品の輸入ストップしている上、航空便の運休によりヨーロッパから空輸されるサーモン等の欠品が発生している
③ 海外出張停止による業務の停滞
海外の経済活動停滞による食料品輸出にブレーキが掛かっている
④ 遠洋操業中の漁船の外国寄港制限
乗組員の下船禁止等の事例が発生。コロナの船内への持ち込みを警戒している
等々であり、極めて身近に影響が出ていることを感じました。

3.イベント関連

FOODEXをはじめ今月に予定されたイベントは、ほぼ中止または延期になりました。この中で農水省の「消費者の部屋」の特別展示と全国スーパーマーケット協会の総会が開催されました。
「消費者の部屋」は霞ヶ関の庁舎で行われ、サブタイトルの「ファストフィッシュ&水産エコラベル」に沿ってMELも出展しました。
MELの他、海外のスキームであるMSC、ASC、アラスカRFMも出揃いました。各スキームオーナーとも消費者を意識し、ロゴ付商品の紹介が目立ちました。場所柄昼の時間帯を中心とした賑わいですが、商品の展示は来場者に身近に感じていただいている様です。
また、会場で認証取得者のヨンキュウ様の事業の模様を紹介するビデオを流させていただき好評でした。


全国スーパーマーケット協会は、310社の正会員が所属される団体でありますが、時節柄いささか寂しい総会となりました。
全国スーパーマーケット協会様はMEL協議会の会員として、水産エコラベルの普及にご支援をいただいており、この総会で、MELの近況について報告をさせていただく予定でしたが残念ながら資料配付のみとなりました。今後も消費者との接点を担われる小売業に一歩でも近い活動を心がけたいと考えております。

4.MEL認証関連

今月末の新MEL認証は漁業2件、養殖21件、流通加工21件合計44件となりました。認証証書の授与式は悩ましいところでありますが、新型コロナ問題が落ち着くまでお待ちいただきたいと思います。
この間メディアには積極的に情報のリリースをします。
3月24日に、小売業で初めてイトーヨーカドー様がMELのCoC認証を取得されました。昨年3月に認証取得の検討を開始されてから1年余の長丁場の取り組みでした。粘り強い取り組みに敬意を表しますとともに、店頭の活性化のお役に立つことを願っています。
また、昨年7月26日にMEL養殖認証を取得された、三重県の鳥羽磯部漁協和具浦支所様のワカメが水揚げシーズンを迎え、同じくCoC認証を取得されたみえぎょれん販売様より、小袋詰めMELV-2ロゴつき商品として販売される運びとなりました。それに先立つ鈴木英敬知事への報告会がありました。ご関係の皆様の盛り上がりを心から嬉しく思います。知事はじめ、県の行政の皆様のご支援のもと、MELを代表する認証事業のモデルとなられることをご期待申し上げます。
9日に、MEL認証に関するスキームオーナー(MEL協議会)、認証機関(日水資および海生研)、認定機関(JAB)による定期打合会を開催しました。GSSIの承認を継続していく上で、特にガバナンス上重要な会議と位置づけており、それぞれの機関が抱える課題と対応について共有しました。
今後も定期的に開催し、チームとして統一のとれた行動が出来る様取り進めます。
認証取得或いは更新についての講習会、意見交換会は、今月は気仙沼(主として近海かつおのサプライチェーンについて)と鹿児島(養殖認証について)を計画しておりましたが、残念ながら何れも中止となりました。皆様の関係者から感染者を出さない様にという用心深い行動を評価するとともに、特に「近海かつお」の様なシーズンが重視される商材は、関係者と綿密に連絡を取りタイミングを逃すことがないよう進めて参ります。

5.MEL審査員研修会

3月23~24日に予定しておりましたMEL審査員研修(CPD)は、このような状況下で延期とさせていただきました。今回から研修会の主催は大日本水産会からMEL協議会となったこともあり、(株)テクノファ様にISOの専門家として研修に積極的に関わっていただき、仲間内的な研修から外部の知を取リ入れ内容の質を高めることを狙っていただけに残念です。
研修全体の運営につきましては、これから2年がかりで取組む予定のスキーム運営の改革・改善と平行して、国際水準のスキームの名に恥じぬよう一歩ずつ質を高めて参ります。

東京では、14日に開花宣言したばかりの桜に季節外れの雪が降りかかるという珍事もありましたが、新型コロナに加え今年も不安定な気象に振り回されるのは勘弁して欲しい気持ちです。来週はもう4月、中止や先送りとなって生れた時間を有効に使う様心がけます。
都会の広場には、長引く休校にため込んだストレスを発散する子供達の姿が目立ちます。我々の事業にとって勿論のことながら、子供達のためにも新型コロナが早く終息して欲しいものです。
皆様のご健勝と、明日への打ち手や準備を着実に進められますことをお祈りします。

以上